恋 文 日 和
困ってるんだよねー、と腕を組んで溜め息を吐く桜井くんに
「で、でも、何であたしなの?」
と、率直な疑問を投げ掛けた。
玲だって居るし
神楽くんだって居る。
しかも、桜井くんはクラスのムードメーカーだ。
彼なら、頼めばいくらでも手伝ってくれる友達が居るはず。
ポンポン浮かび上がる疑問を抱えたまま、桜井くんの言葉を待った。
「いやさ、コイツはバイトしてるし。」
そう言って桜井くんは玲を指差す。
「指差すなっ!」
怒った玲をスルーして彼は続けた。
「それに、日和ちゃんじゃなきゃダメなんだよね。」
「あ、ああああたし!?」
それって、どうゆう…。
戸惑っていると、桜井くんが
ちょいちょいと手招きするので、あたしは恐る恐る耳を傾ける。
「ええええぇっ!?」