恋 文 日 和
う、嘘っ!?
「悪い話じゃないと思うんだ。日給6千円は出すし。飯、寝床付き!」
ニコっと笑う桜井くんに、玲が反応した。
「何それ!あたしもやるっ!!」
「はぁ!?お前、バイトしてんだろーが!」
「だって6千円でしょ!?一週間やったら4万じゃん!!」
だけど、二人の会話は全く耳に入らない。
それどころか
顔に体中の熱が集まって、今にものぼせそう。
『実は、神楽もやるんだけどさ。まだ人手足りないっつたら、菊井は?って神楽が。』
ほ、本当に?
本当に、神楽くんがあたしを?
桜井くんの言葉が、あたしの頭の中を駆け巡って。
「ったく…。玲もやるって。日和ちゃんは…。」
「やるっ!!やります!やらせて頂きますっっ!!」
立ち上がってガッツポーズをしたあたしを、玲と桜井くんがポカン、と見上げていた。
蒸し暑い、夏の訪れを感じさせる風が、あたしの髪をなびかせる。
菊井 日和
初めてのアルバイト!
頑張りまーすっ!!!
神楽くん(玲と桜井くんも)と一緒にっ!
えへへーっ!