恋 文 日 和
梅雨も明けきった、7月中旬。
「やったぁ!数学87点だって!」
「嘘っ!?日和が!?」
嘘とは何よーっ!、と膨れたあたしに、玲が笑って。
すっかり写真の事なんか忘れてしまったあたし。
…ううん、完全に忘れたって訳じゃないんだけど、もう気にするのはやめようって決めたんだ。
せっかく同じクラスになれて
一緒に勉強出来るくらい仲良くなれたんだもん。
「よかったじゃん、菊井!」
「神楽くん!」
どうせなら、笑って過ごしたい。
「やれば出来るんだよ。まぁ、俺のおかげだけど!」
「あはは、本当神楽くんのおかげだよっ!ありがとーっ!」
笑顔のあたしを、神楽くんに見て欲しい。
好きな人には、笑ってる自分を覚えていてもらいたいから。
想いが叶わなくても
例え、片思いで終わってしまっても
あたしも、神楽くんの笑顔を見ていたいから。
後悔しないように、いつだって笑っていたいんだ。