恋 文 日 和
「じゃあ、当日は朝10時集合で!」
「「はーいっ!!」」
お昼休み。
桜井くんに詳しいバイトの内容を聞いて、あとは夏休みを待つだけになった。
バイトはもちろん初めてだし、正直ちゃんとやれるか心配だけど
一週間、朝も昼も夜も神楽くんと過ごせる訳で。
それって……。
ぅきゃーっっ!!
嬉しすぎるよぉぉ!
思わずこぼれそうになるニヤけ顔がばれないように、フルーツオレを飲み込む。
「あー、俺も喉乾いたー。何か飲みもん買って来る。」
そんなあたしを見て、そう言いながら立ち上がったのは神楽くん。
「いってらっしゃーい。」
「おぅ。」
ヒラヒラと手を振る神楽くんを見届けて、口を開いたのは桜井くんだった。
「よかったね、日和ちゃん!」
「うんっ!本当ありがと、桜井くん!」
そう、これも全て桜井くんのおかげ。
こうやってバイトに誘ってくれなかったら、神楽くんに会えない夏休みを一人寂しく過ごすところだった。
それどころか、あの写真が気になって廃人になってたかも…。
うう~、危ない危ない。