恋 文 日 和


ガコン!
と落ちてきたお茶とカフェオレを、販売機の出口から取り出す。

そして、腕に抱えたジュースを手にあたしはキョロキョロと辺りを見渡した。



「…神楽くん、いないなぁ……。」

そうなのだ。
自販機に行くと言って教室を出た神楽くんの姿がどこにも見当たらない。



この自販機から教室に帰るなら、どこかで必ずすれ違うはずで。

「…どこ行っちゃったんだろ…。」


まさか、遠回りして教室に帰ったのかな。
とか、色々考えてみた。

もしかして、保健室?
……な訳ないかぁ。




「…もう、教室帰っちゃったかな。」

一通りぐるっと見渡して小さく溜め息を落としたあたしは、諦めて来た道を戻り始める。



そんな時、だった。





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