恋 文 日 和
………………
“神楽 翔晴”
(カグラ ショウセイ)
その名前を見た時、心臓が飛び出してしまうかと思った。
『……うそ…。』
『嘘じゃないよ、日和。』
まるで夢でも見てるかのようなあたしを
玲の言葉が現実に引き戻してくれた。
慌ただしい廊下の片隅で張り出されたクラス分けに、彼の名前。
そして、自分の名前。
それは同じ2年D組の欄に載っていて。
『よかったね、日和!』
『うぅ……。玲~…。』
同じクラスに、なれたらいいな…。
そう願っていた事が、本当に現実になるなんて。
きっと、あれは
神様があたしにくれた小さなチャンス。
僅かなきっかけを、あたしに、くれたんだ。