恋 文 日 和
それからどのくらい歩いたのか。
もうどこを見渡しても同じ景色にしか見えないのは気のせい?
「ダメだ、やっぱここも繋がんねー。」
はぁ、と溜め息をついて神楽くんは携帯を閉じた。
「菊井は?どう?」
「…え?あ!ダ、ダメみたい!」
その返事に、そっかーと頭を掻いた神楽くんを横目に、さっきから煩いあたしの心臓。
ドキドキしっぱなしで、そのうち煙が出そう。
そりゃそうだ。
だ、だって…!!!
「あー、マジヤバいな、これ。」
そう、そうなんです!!
マジ、ヤバいんですっっ!!!
「菊井?聞いてる?」
「へっ!?う、うん!き、聞いてます!!」
「ぷ、何で敬語なんだって。」
堪えるように笑う神楽くんに、胸が小さく高鳴る。
繋がれた手は、未だ離れる事はないまま
あたしの手は神楽くんの手のひらの中。
これって、ヤバいでしょーっっ!!