キミのいた冬。
「いつから、いたんだ?」
「いつって...ちょっと前だよ...」
そう言って笑えば、彼は今度は眉間に皺を寄せた。
「ちょっとってレベルの冷たさじゃないだろ」
彼は私の冷え切った手を包みこんで言う。
「だって.....」
” 夏樹に、会いたかったから ”
---そんな言葉を飲み込んだ。
「なんで連絡くれなかったんだよ?」
「........」
私が黙り込むと、彼は少しして白い息を吐き出した。
「....俺が悪かった...ごめんな」
そう言って私を抱きしめると、彼はまるで子どもをあやすかのように背中をポンポンとさすった。