月が満ちるまで
未也に男がいたなんてショックだ。
こいつ、家では女らしくなくてガサツなくせに…
「海斗もさ、見た目はいいんだからガンバんなよ」
「呼び捨てにするなよ、お兄ちゃんとか言えないのかよ」
「キャラ違うし。それに海斗ってカッコイイじゃない」
「…わかんねぇ。こいつのドコがよくて付き合ってるんだか」
未也の目がすい、と細くなる。
「あたしはバカだから、自分にショージキだからね。好きになったらコクるよ」
ああ、そうだ。
それが未也のいい所だった。自分をごまかしたりしないし、まっすぐだ。
「ん~お悩みなら、相談乗るけど。」
軽く言ってるけど、気持ちはわかった。
「エンリョしとく。なに奢らされるかわかんねぇからな」
自然に笑みがでた。
未也の顔にも笑顔がうく。
「海斗もさ、バカんなればいいよ。恋愛なんてバカんなったほうがいいって」
まわりを気にせず、自分達の世界に入りこむのはどうかと思うけど、それはそれでシアワセなんだろう。
好きな人と。
一緒の時間や感情を共有する。
好きだとお互いを想いあい、やさしくできたら…
それは、とてもシアワセだ。
胸が暖かくなる。
幸せにしたいなんて思いあがりだ。彼女がなんに幸せを感じるか知らない。
だから、二人で幸せになれたらいい。
これから、探していければいい。
少しづつでも