月が満ちるまで


手のなかでチケットが震える。汗でチケットが湿らないように、ポケットにしまって手の平をぬぐう。



物凄い、緊張。




あぁ……いままで、どんな顔で、どんな声で話してきたんだろう。



なにげなく

さりげなく

君を誘えたらいいのに



風花の姿が見えた。

歩くのにあわせて髪がなびく。



………綺麗だと思った



人見知りなほうで、なかなかなつかない猫みたいだ。


そのなかで



気持ちを許すのはわずかな人しかいない

そのなかに、僕もいる



それは特別なことだから嬉しい。



僕になついてくれて嬉しい。

目を閉じても姿が浮かぶ。




僕にとって大事な風花。

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