月が満ちるまで
風花に声をかけようとした。
そのために、ずっと待っていたのだから。
言葉が口に出るよりも先に、一緒に友達がいるのに気がついた。
笑いながら歩いていく。
ただ、見つめることしかできなかった。
これじゃ、ストーカーだ
苦い感情。
どうしたんだろう。
好きすぎて、いまの関係が壊れてしまうことが怖い。
本当に……
気持ちを伝えたら君はどんな顔をするのだろう。
無くしたくないものを繋ぎとめておくのには、どうしたらいいのだろう。
……答えは出ない。
今、この心を風花にあげることができるなら……
風花が僕の気持ちを覗けるなら。
どんなにいいだろう。
たくさんの言葉でも
熱っぽい眼差しでも
痛いくらいの抱擁でも
尽くせないほどの気持ちがある。
君が好きだよ。
僕の全部よりずっと。