好きじゃないよ、君なんか。





「ぎゃぁぁぁぁっ‼︎‼︎」



可愛くない悲鳴をあげながら
後ろにいる 青瀬から急いで離れた



「…な、なんで‼︎ 青瀬…ここに⁈」



混乱と焦りで
単語を出すのに精一杯だ。



「お前に会いに来たとか言ってみる」


なっ‼︎
意味の分からない事を…っ‼︎‼︎

あたしは 少し後ずさりをして



「あ、あたしは会いたくない‼︎」



そう伝えた。



周りの女子は
「えぇー!」だとか「きゃー!」だとか
騒いでいたけど…




「ざんねん。冗談。

そこのサッカーボールとって。」



指差す先を見ると
サッカーボールが転がっている



近くの女の子が
少し慌てた様子で青瀬にボールを渡す



「どうも。」


そう一言だけ言って
教室から出て行った…




……なんでこんなとこに
サッカーボールがあんのよ…


疑問に思っていたら
ザワザワと騒ぎ出す女子軍団…



「窓からボール入ってきた時
びっくりしたよねー」



「まさか、青瀬くんが
取りに来るなんて思わなかったー!」




そんな声が聞こえる。



…いつの間に
ボール入ってきたんだ


全く気づかなかった。



てかっ‼︎
そんなことより…


"お前に会いに来たとか言ってみる"


あれはなんなのよ‼︎


うるさく鳴り響く心臓に
嘘をつくように



「青瀬のばかやろーーっ‼︎」



そう叫んだ。




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