好きじゃないよ、君なんか。
【青瀬 奏遥 side】
最近、よく見かけるあいつ…
第一印象を言うなら
"変なやつ"
初めて会ったのは
階段だ。
俺が教室に向かう途中に
足を踏みはずしそうなとこを見かけた
とっさに 手を伸ばして
俺の方に引き寄せた
ゆっくりと目を開いたあいつは
少し驚いたような顔をして
「あ…おせ…」
向こうはどうやら
俺のことを知ってるみたいだ…
それから 俺の顔をジッと眺める
「…いつまでこうしてんの?
重いんだけど…」
そう俺が言うと
目をパチクリさせて
慌てて俺から離れる
「あぁ、えっと…ありがと…?」
なんで疑問系…
不思議に思いながらも
俺は 彼女の方を見ながら
「別に」
そう言った。