好きじゃないよ、君なんか。
そこで流れる微妙な空気…
そういえば、階段から足を踏み外すほど
急いでたんだじゃないのか…?
そう思い
「…行かなくていいわけ?」
無愛想そうに俺が聞くと
俺の方を一度パッと見た後
「へ?」
俺の言った意味を理解してないのか
マヌケな声をあげる
「足滑らせるほど
急いでたんだろ?」
やっと俺の言った意味を理解したのか
何か思い出したような顔をして
「あぁぁぁぁぁ!!!そうだ!
バイト!給料カットされる!!!」
そう大声で叫びながら
下駄箱の方へ走って行った…
「…変なやつ」
ボソッと呟いた俺の声なんて
聞こえない勢いで。