好きじゃないよ、君なんか。
100歩譲って顔は良いよ?
確かにね?
でも…あの人を馬鹿にしたような顔っ‼︎
それに…
冷たい態度で女の子を泣かせてるし
顔が良くても好きにはなれない。
「…何考えてんの?」
目の前にいきなり青瀬の顔が現れる
「わぁぁぁぁ‼︎‼︎」
驚いて後ろに尻もちをついてしまった
そんなあたしを見て
青瀬はクスッと笑って
「お前、転ぶの好きなの?」
そんな事を言う。
転ぶのが
好きなやつとかいるわけないでしょ‼︎
心の中でそう叫んでいると
青瀬が あたしの前にしゃがみ込む
「…ほら」
「……え?」
手を差し出す青瀬を
ニ度…いや…三度見ぐらいはしたかな…
そんな あたしを見て
また 青瀬は クスッと笑う
「手だせよ。」
「え?あぁ…」
立たせてくれるのかと思い
あたしは 青瀬の手の上に
自分の手をのせた。
それと同時に
青瀬はニヤッと笑って
「おぉ、ポチ。
お手できるようになったか。」
そう言ってあたしの頭を撫でる
はぃ…?
ポ、ポチ⁈
「何してんのよ…」
「お、ポチ喋れるのか。
えらい、えらい。」
そう言って またあたしの頭を
わしゃわしゃと撫でる
「…いや まって。
あたしをなんだと思ってんのよ!」
「え?犬だけど?」
当たり前だと言わんばかりに
堂々言う 青瀬を逆に尊敬する。
「なにしれーっと
言っちゃってくれてんのよ!」
あたしが 怒鳴ると
青瀬は 耳を押さえながら
「キャンキャン喚くな。うるさい」
そう言って立ち上がる