好きじゃないよ、君なんか。





だれ…?



警戒するようにジッと見つめると



「これ、落としてたよ」



そう言って手渡される
表紙にあたしの名前が書かれたノート。



うっかりしすぎだ…



「あ、あの…ありがとうございます…」



ノートを受け取りながら
ペコッと頭を下げた。



「いいよ。お礼なんて。
香坂綾乃ちゃん…だっけ?」



「えっと…なんであたしの名前…?」


話すのも初めてだし
もちろん、顔見知りでもない…


「ノートに書いてたから」



そう言ってにこっと笑う。

なんだか ふんわりしたオーラを持つ人だ…



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