好きじゃないよ、君なんか。




「まぁ、でも 前から知ってたけどね」


前から…?

あたし そんなに
目立つタイプじゃないはずだけど…



「奏遥が珍しく構ってる女の子だからね〜」



奏遥って……青瀬のことだよね…

ってことは 青瀬の友達?



「…構ってるって言うか……
馬鹿にされてるだけの気が…」



「あははっ。あんな感じなのは
綾乃ちゃんだけにだよ。」



それってもっとタチ悪い気がするんだけど…



「別に悪い意味とかじゃなくてだよ?
他の女の子にはない良さがあるんだろうね
綾乃ちゃんには!」



「良いのか悪いのか分からないですね…」



まず、青瀬には
女の子だって思われてない。絶対。



「てかっ、敬語やめない?
俺ら 同い年なのにさ。」



「う、うん…」



ぎこちなく 頷く。



「あ、そう言えば自己紹介まだだね。
名前は 矢田 晴也(Haruya Yada)
これから 奏遥共々よろしくね〜」



あたしにまたにこっと笑いかけたあと
手を振って そのまま行ってしまった…



不思議な人だったな……





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