好きじゃないよ、君なんか。
「そんなに男嫌いなんて
あんたの将来が心配だわ。」
利絵は はぁーとため息をつきながら
あたしの顔を眺める
「別にそこまで嫌いなわけじゃないよ。
でも、最低な父さんを見てるから
信用がならないだけ。」
あたしの父さんは
ロクでもない人で、
馬鹿みたいな大金を借金して
あたしや弟。
それに母さんを置いて
家を出て行ってしまった。
それに お酒を飲むと暴れ倒して
よく母さんが泣いていた。
女を泣かせる男なんて大嫌いだ。
「…きゃぁぁ!!」
昔のことを思い出していると
ものすごい悲鳴が窓側から聞こえた
「な、なにごと…?」
「どうせ また 青瀬でしょ。」
当たり前のようにしれっと
利絵は知らんぷりをして
裁縫を続ける。
青瀬……
この学校であたしの
大嫌いな男 No1の男だ。