初恋
出会い
「らーん!」
「何?」
「宿題見ーせて!」
「やだ。」
「何でだよー。いいじゃねーかよー。」
「私も忙しいの。」
「どこがだよ。
マンガ読んでるただの暇人にしか見えねーぞ」
「お前、マンガをなめんなよ。」
「何でそこでキレんだよ。」
「ってか、見せてよ。宿題。」
「だから、やだ。」
「そこをなんとか!らん様!」
「ったく。仕方ない。
貸してやろうではないか。」
「ありがとうございます!」
「はい。百円。」
「金とんのかよ!」
「冗談だよ~。」
朝からくだらない会話をしてるのは、私、高見らんと、隣の席の男子、新居結城だ。
中学に入ってから知り合った私達だけど、席替えで隣になってから、話も合うし、今では、すごく仲のいい友達になっている。
~昼休み~
「アンタって、新居のこと好きなんだっけ?」
ニヤニヤしながらそう言ってくるコイツは、小学校時代からの親友、杉浦菜々。
菜々からの唐突な質問に、私は、飲んでいたお茶を盛大に吹き出した。
「ちょっとー。やめてよー。」
「ゲホッ ゴホッ」
「もー。制服にかかったー。」
ちょっとそこのお嬢ちゃん?
親友が目の前でむせてるっていうのに、それはいくらなんでも冷たすぎやしないかい?
「んで、結局どうなのよー。新居のこと。」
「ないないないないない。それはない。」
「まー。こんなに否定されちゃって。
新居もかわいそうねー。」
「だってホントに違うんだもん。」
「って、新居がかわいそうってどういう意味?」
「さあ?本人から聞いてみたら?」
「ねえー。教えてよー。菜々ー。」
「あら。
チャイムなるわよ?お座りなさい?」
「むー。」
私は渋々席に戻った。