14年目の永遠の誓い
プロローグ
「お誕生日おめでとう!」
「おめでとう!」
四方から、ハルへと向けてグラスが差し出され、ガラスの合わさる綺麗な音が鳴り響く。
青空の下、グラスに満たされた飲み物が揺れる。
「ありがとう」
祝福の言葉に、ハルは嬉しそうに、穏やかな笑みで応じた。
大きな瞳は嬉しげに細められ、柔らかい髪がふわっと風に揺れる。
3月下旬、恒例のハルの誕生日バーベキューパーティ。
ハル……牧村陽菜(まきむらはるな)。
オレ、広瀬叶太(ひろせかなた)の幼なじみにして最愛の恋人。
ハルは今日、17歳の誕生日を迎えた。
例年通り、今年もハルの家族、敷地内の隣の家に住むハルのじいちゃん、ばあちゃん、それから隣に住むオレの家族……総勢10人が、広々した庭に集う。
テーブルは細長く、手前がオレたち子ども組、向こう側が大人6人。
大型のバーベキューコンロは2つで、お手伝いさんたちが、慣れた手つきで肉やシーフード、野菜を焼いている。
ジュウジュウ油が落ちる音が響き、香ばしい匂いがただよい食欲をそそる。
テーブルの真ん中に置かれた大皿に、焼きたての肉や野菜が置かれていく。
「ハル、肉、取ろうか? 何が良い?」
「……あ、えっと」
「陽菜、置くよ」
ハルが言いよどんでいる間に、向かいに座る明兄が、オレを差し置いてサッサとハルの皿に肉と野菜を置いた。
「あ、お兄ちゃん、ありがとう」
ハルは笑顔でお礼を言った後、皿の上の肉を見て、少し困ったように小首を傾げた。
「おめでとう!」
四方から、ハルへと向けてグラスが差し出され、ガラスの合わさる綺麗な音が鳴り響く。
青空の下、グラスに満たされた飲み物が揺れる。
「ありがとう」
祝福の言葉に、ハルは嬉しそうに、穏やかな笑みで応じた。
大きな瞳は嬉しげに細められ、柔らかい髪がふわっと風に揺れる。
3月下旬、恒例のハルの誕生日バーベキューパーティ。
ハル……牧村陽菜(まきむらはるな)。
オレ、広瀬叶太(ひろせかなた)の幼なじみにして最愛の恋人。
ハルは今日、17歳の誕生日を迎えた。
例年通り、今年もハルの家族、敷地内の隣の家に住むハルのじいちゃん、ばあちゃん、それから隣に住むオレの家族……総勢10人が、広々した庭に集う。
テーブルは細長く、手前がオレたち子ども組、向こう側が大人6人。
大型のバーベキューコンロは2つで、お手伝いさんたちが、慣れた手つきで肉やシーフード、野菜を焼いている。
ジュウジュウ油が落ちる音が響き、香ばしい匂いがただよい食欲をそそる。
テーブルの真ん中に置かれた大皿に、焼きたての肉や野菜が置かれていく。
「ハル、肉、取ろうか? 何が良い?」
「……あ、えっと」
「陽菜、置くよ」
ハルが言いよどんでいる間に、向かいに座る明兄が、オレを差し置いてサッサとハルの皿に肉と野菜を置いた。
「あ、お兄ちゃん、ありがとう」
ハルは笑顔でお礼を言った後、皿の上の肉を見て、少し困ったように小首を傾げた。
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