14年目の永遠の誓い
あふれ出す涙は一向に止まる気配がなくて、息苦しくて仕方ない。
ハアッ……ハアッ……
呼吸に合わせて、肩が大きく上下する。
「だ……い、じょ」
「全然、大丈夫じゃないし!!」
田尻さんが焦った声で言いながら、わたしの背中をさすってくれる。
息が苦しい。
涙……止めなくちゃ。
そう思うのに、止まらなくて……。
「と、とにかく、横になって?」
言われるままに、支えられて身体を倒す。
革張りのソファ、涙で濡れちゃう……。
手に持っていたタオルハンカチで涙をぬぐうのだけど、次から次へとあふれ出して来て……。
「……ご……めっ……ね」
「しゃべらなくて良いから!」
怒ったような口調の田尻さん。
でも、わたしを心配してくれているだけだって、知ってるから、全然怖くなんてないんだ。
貧血も起こしているみたいで、目に入る景色が黄ばんでいた。
「救急車、呼ぼうか」
「……いら、な」
「でも、牧村さん、真っ青だよ」
「……だい、じょう…ぶ、だか……」
「ああ、もう、しゃべらなくていいってば! それに、全然、大丈夫に見えないし!」
ごめんね。
わたしを心配する気持ちの中に、恐怖が混じるのを感じる。