14年目の永遠の誓い
今日は家にパパもいる。
もしかしたら、おじいちゃんもいたかも知れない。
だけど、嫌だったんだ。
結婚しても良いよって、言ってくれた、優しい人たちには会いたくなかったんだ。
家に帰れば会うんだけど、それは分かっているんだけど、
思い浮かんだのは、3月終わりの誕生日パーティの場にいた人の中で、ただ一人、結婚について何のコメントもしなかったおばあちゃんだった。
カナは、パパやママだけでなく、おじいちゃんすら味方に付けていたから……。
お兄ちゃんも晃太くんも、広瀬のおじさまもおばさまも、みんな……。
ただ、おばあちゃんだけが、何も言わなかったから……。
「牧村さん、聞こえてた? おばあさん、すぐ来てくれるって」
「……あり、が…」
「だから、返事は良いってば」
今日、何度、そう言われただろう?
田尻さんは呆れたように
「ホント、真面目だよね。こんな時くらい、いい加減になりな?」
とぼやいた。
その言葉に中にも、やっぱり暖かい気持ちが込められているのを感じて、今度は、心の中で「ありがとう」とつぶやいた。