14年目の永遠の誓い
気が付くと、自分のベッドで眠っていた。
おばあちゃんが部屋にいて、わたしが目を覚ますと、スッと側に来てくれた。
「家に戻って30分も経たないくらいよ? ……お口をゆすぎましょうか?」
おばあちゃんに介助されて渡されたコップの水で口をゆすいだ。
スッキリすると同時に、眠りに落ちる前の記憶もよみがえる。やるせない気持ちを思い出して、思わず表情が曇った。
「陽菜、お水飲む?」
差し出されたコップからお水を飲む。
「少し、横になりましょう」
言われるままに、身体を倒す。
眠っていたせいで収まっていた涙が、
いつもの自分の部屋の中にいると、知らず知らずの内に、またこみ上げて来ていた。
ここにはカナの気配が色濃くありすぎる。
わたしの世話を一段落させたおばあちゃんは、苦笑いを浮かべて、わたしを見た。
そして、小さく肩をすくめてから、わたしの枕元の椅子に座った。
「わたくしも、本当に驚いたわ。正明さんだけならまだしも、幹人や響子さん、まさか広瀬家の方まで賛成だなんて」
おばあちゃんのその言葉に、わたしはようやくおばあちゃんの顔を見た。
正明さん……おじいちゃんだけならまだしも……。
おばあちゃんの口から初めて聞く、カナとわたしの結婚のお話だった。