14年目の永遠の誓い
わたしに甘いおじいちゃん。
……もし、わたしの好きにしても良いよって言ったのが、おじいちゃんだけなら、笑って済ませられた気がする。
ママ、パパ、お兄ちゃんから言われた後に、おじいちゃんにも「陽菜の好きなようにして良いんだよ」って言われたから、まるで素直に聞くことができなかった。
「ごめんなさいね。陽菜が寝ている間に、何があったのか、田尻さんに話を聞いたの」
涙に濡れた頬を、おばあちゃんはハンカチで優しく拭ってくれた。
そうか……。
わたしが、何を思っていたのか、おばあちゃんにバレちゃったんだ。
「まさか、叶太さんがあんな事を考えていたなんてね」
子どものいたずらを見つけた時のような、そんな「しょうがないわね、もう」とでも言わんばかりの表情で、おばあちゃんはそう言った。
「おばあちゃんは、……知らなかった?」
「ええ、初耳だったし、本当に驚いたわよ」
……良かった。
何故か、そう思った。
自分一人、何も知らされていなかったと思ったけど、おばあちゃんは仲間だった。
自分でも変だと思うけど、妙な安心感があった。
「具合はどう?」
不意に問われて、
「大丈夫」
と短く答える。
「……こんなひどい顔色で、大丈夫ではないでしょうに」
おばあちゃんはわたしの顔を覗き込み、そっと頬に手を触れた。