14年目の永遠の誓い
一枚目には浴衣姿のハルと、同じく浴衣を着た志穂のツーショット。
数日前の花火大会の時の写真。

ばあちゃんに薄化粧をしてもらい、髪を結い上げたハルは、思わず抱きしめたくなる可愛さだった。

牡丹色の浴衣に黄色い帯。

初夏、ばあちゃんとハルにくっついて、オレも呉服屋に行って一緒に選んだ。
ばあちゃんとオレ一押しの一品は、ハルに最高に似合ってる。



「この前の……」

「うん。綺麗に撮れてたから」



正直、一枚目はオレとのツーショットにしたかったけど、っていうか、オレの部屋にはそれを飾ったけど、志穂と2人で浴衣を着て楽しそうにしていたハルを思い出して、こっちを最初にした。
ハルがオレ以外の同級生と出かけることは滅多にない。
志穂は休みの日に遊びに来たりはするけど、外出は誘われても、ハルが遠慮することがほとんどだ。

だからか、ハルは本当に楽しそうにしていた。
うっかりオレと2人でのデートより楽しそうに見えて、思わず志穂に嫉妬しそうになったくらいだ。

ハルは楽しげにページをめくる。



「カナ、浴衣似合うよね」



二枚目に入れたオレとのツーショット写真を見てから、ハルは笑顔でオレを見上げた。



「そうかな?」

「うん。……カッコイイ」



頬を染めて、小さな声で言うハルが可愛くて、思わず抱きしめると、ハルはオレの背中にそっと手を回した。

最近は2人きりの場所でなら、ハルも恥ずかしがらずにオレに触れてくれる。

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