14年目の永遠の誓い
7.隠された願い
おばあちゃんに、カナとちゃんと話すように、そして、カナの側から物事を見てみるようにと言われた。

だけど、どうすれば、そんなことができるのか分からないでいる間に、一週間が経ってしまった。

悩んだ挙句、土曜日の朝、カナに電話をかけた。



「え? ハルが家に?」

「うん。後で、行っても良い?」

「もちろん!」



カナはなぜか、とても嬉しそうだった。

思えば、ずいぶん長い間、カナの部屋を訪れていない。

この前、遊びに行ったのはいつだっただろう?

年単位で行っていない気がする……と言うか、もしかして高校生になってから、一度も行っていないかも?



「何時頃に来る?」

「10時で良い?」

「ああ、大丈夫」

「それじゃあ、後でね」



電話を切って、ふうと息を吐く。

考えてみると、いつだって、カナがわたしのところに来てくれていた。

カナの部屋は二階にあって、階段がシンドイと言うのもある。

だけど、一階にあるカナの家のリビングすら、もう何年も入っていなかった。



……隣の家なのに。



同じく隣にあるおじいちゃんの家には、しょっちゅうお邪魔する。

カナの家は正確には、おじいちゃんの家の向こうだから、一軒分距離はある。



だけど、さすがに、これはないんじゃないだろうか……。

仮にも恋人同士なのに……。



このひどい扱いに気づきもしなかった自分が情けなくなる。



おばあちゃんは、こういうことを言いたかったんだろうか?

違うかも知れない。



でも、いつもと違うことをしてみて、いつもと違うものが見えると良いな……と思った。



   ☆   ☆   ☆


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