14年目の永遠の誓い
10時過ぎに、家の前で待っていてくれたカナと一緒に、久しぶりにカナの家の門をくぐった。
「陽菜ちゃん、いらっしゃい!」
玄関を入ると、おばさまが笑顔で出迎えてくれた。
一気に、気持ちが中学生の頃に戻る。
そう、いつ来ても、こんな感じで出迎えてもらった……。
「陽菜ちゃんが家に来てくれるの、久しぶりよね?」
「……すみません、ご無沙汰してしまって」
おばさまの言葉に他意がないのは分っているのに、思わず小さくなってしまう。
「あら、こちらこそ、いつも叶太がお邪魔してばかりで、ごめんなさいね」
「いえ! 全然!」
思わず力を込めて言ってしまうと、おばさまはクスクスと笑った。
「ハル、上がって上がって」
カナに続いて靴を脱いで玄関を上がり、靴を揃えてから、出されたスリッパに足を通す。
自分の家とは違うカナの家の空気が懐かしくて、そして新鮮だった。
「えーと、リビングの方が良い?」
「ううん。カナの部屋に行きたいな。……いい?」
「もちろん」
カナは嬉しそうに笑うと、先に立って歩き出した。
「ハル、階段、抱いて上がろうか?」
階段の前でも懐かしさに駆られて立ち止まっていると、カナに気遣わしげに聞かれてしまい、思わず苦笑い。
そうだよね。
自分ちの二階すら、数ヶ月に一回しか上がらないなんて言ったもの、心配にもなるよね。
「大丈夫だよ」
表情を曇らせ、わたしを見下ろすカナに笑いかける。