14年目の永遠の誓い
それからしばらくは、シャーベットをゆっくり楽しんで、その後は晃太くんの最近の彼女の話。

カナ曰く、久々に一年近く続いているらしい。

楽しくて、久しぶりのカナの部屋は、懐かしくて、妙に落ち着いて……。

今日の本題をうっかり頭から追い出したくなる。

けど、ちゃんと向き合わなくちゃと、ふと訪れた沈黙の瞬間に、大きく息を吸い込んでから一気に言った。



「ねえ、カナはなんで結婚したいの?」

「え?」



カナは突然の話題変更に面食らったような顔をした。

けど、わたしがわざわざ数年ぶりにカナの部屋を訪れたことで、何かあるのだろうと覚悟していたみたいで、すぐに返事が返ってきた。



「一緒にいたいから」

「今だって、十分に一緒にいると思う」



予想外の答えに、行動の動機なんて、人それぞれだと分かっているのに、思わず言い返してしまった。

だけど、カナは驚いたように声を上げ、わたしを見つめた。



「え!? だって、朝起きてから学校に行くまで、ハルに会えないんだよ!?」



え?

それ、普通だよね?



「夜だって、基本、夕飯前には帰らなきゃいけないし」



それだって、普通だと思うんだけど……。



「ねえ、なんでそんなに一緒にいたいの?」

「……え!?」



当たり前の疑問を口にしたつもりだったのに、カナはショックを隠せないという顔で、頭に手をやった。



「ハル、それはオレ、ちょっと傷つくんだけど」

「………なんで?」



本当に分からない。

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