14年目の永遠の誓い
8.永遠の誓い
結婚するとなったら、後は早かった。
カナはあっという間に、パパやママ他みんなに報告してしまい、わたしたちは繰り返し「おめでとう」の言葉を贈られた。
許してくれたはずのパパは、最初、やっぱりムスッとして、それがわたしをホッとさせる。
だけど、カナから
「おじさんをお義父さんって呼べる日が楽しみです」
なんて言われて、パパの頬はふわっと緩み、笑顔が浮かぶ。
そうか、こうやってパパに結婚の了解を取ったんだ……そんな事も垣間見えて、何だかとても楽しかった。
あの日以来、カナの部屋に遊びに行くことが増えた。
最近、お邪魔するたびに、おばさまがお菓子を用意して待っていてくれる。
「陽菜ちゃん、いらっしゃい! 今日はね、イチゴのタルトを作ったのよ」
おばさまが満面の笑顔でわたしを出迎えてくれる。
カナは、そんなおばさまを苦笑いで見ている。
「ごめんね、ハル。食べてやってくれる?」
「もう、失礼な子ね」
そう言いつつも、おばさまは楽しそう。
「あの、もちろん喜んでいただきます」
「ありがとう。後で持っていくわね」
カナの部屋にお邪魔した少し後、おばさまが出してくれたのは小さなカップ型のイチゴタルトとハーブティー。
形の良い真っ赤なイチゴが綺麗に並んで、宝石のようにキラキラと輝いていた。
「わあ、美味しそう」
「陽菜ちゃん、喜んでくれるから、作りがいがあるわ。男の子なんてホントつまらないのよ」
おばさまの言葉にカナが隣から突っ込む。
「ちゃんと食べてるじゃん」
「一度はいらないって、必ず言うじゃない」
「だから、オレ、そんなに甘いもの好きじゃないし」
「……それがつまらないって言ってるのよ」