14年目の永遠の誓い
ウェディングドレスを着たくないのかと聞かれたら、着てみたいと思わないでもない。
……けど、現実問題、
「……ドレス、重そう」
と言う気がしてならない。
重そう……と言うか、実際、重いんだろう。
とても綺麗なんだけど……、素敵なんだけど……。
着られるものなら、着てみたいと、思わないでもないんだけど……。
どこかで、10キロ近い重さがあると聞いたことがある。
そんな重いものを身につけて何十分も立っていられる自信がない。
ううん。もし、ただ座っているだけだとしても、相当大変じゃないかなと思う。
しかも、教会でお式って言ったら、それを着て歩くんだよね?
考えただけで、心は浮き立つどころか、どうしようと狼狽えてしまう。
「あー、確かに。……それは替わってあげられないもんなぁ」
と、カナは気遣わしげに、わたしの顔をまじまじと見た。
「あ、それじゃあ、世界一軽いウェディングドレスを作ってもらおうか?」
カナが良いことを思いついたというように、にっこり笑った。
「着るにしても、もったいないしレンタルでいいよぉ。それに、世界一ってなに?」
思わず笑ったけど、カナは苦笑いでわたしの髪に手を触れた。
「……ごめん、でも、ハル。オレの誕生日、真夏だし」
そう、カナのお誕生日は8月半ば。
夏の暑さにめっぽう弱いわたしは、その時期、学校にすらまともに通えなくなる。
その日だけ運良く涼しくても、それ以前に体調を崩して寝込んでいると、体力は地を這うような状態。
正直、とても結婚式なんて行事はムリだ。