14年目の永遠の誓い

「ハル?」

「……あ、あのね。えっと、……あの……わたしを、もらってもらおうと、思ってたの」

「え?」

「その……リボン結んで……」



って、やだもう、これ以上は言えないよ。

首まで真っ赤になって、うつむいて固く目をつむった。



「ハ……ハル?」



お隣で、カナの身体が硬直した。

カナの戸惑った声に、やっぱり、やめればよかったと、穴があったら入りたい気分になる。

真っ赤になって口をつぐむわたしに、カナは慌てて言った。



「ハル!! 本当に良いの!? ってか、オレ、そんなサプライズが待ってるとは思ってなくて、本気で驚いちゃって!」



心底嬉しそうな声に、慌てて顔を上げると、

カナは自らの手に持ったリボンを見て、それからわたしを見て、今日一番の笑顔を浮かべた。



「これは、髪の毛に? それとも……首……は苦しいよな? ああ、手首でも可愛いかも」



カナの手は、既にわたしの手首に伸ばされていた。



「あの、カナっ」

「ん?」



まさか、こんなにも喜んでもらえるとは思えなかった。

だから、ホッとしたし、求められている実感は嬉しかった。

だけど……



「本当は、今日……のつもりだったの。……けど、気持ち悪くて、……今日はムリそう」



どうしてか、カナがうめき声を上げた。



「元気になるまで、待っててくれる?」



「………………もちろんっ!」



かなりの間の後で、カナは絞り出すようにそう言い、わたしをそっと抱きしめてくれた。

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