14年目の永遠の誓い

ハルは本当に何度も、生死の境目まで行っては戻って来た。

術後、なかなか高熱が下がらなかった。

大きな不整脈が何度も現れ治らず、二度目の心停止では、電気ショックも心臓マッサージも効かず、緊急開胸で直接心臓マッサージをするまでになった。



学校が始まった。

不整脈は相変わらず完全には抑えられていなかったけど、ハルの意識はハッキリしていて、



「行かなきゃダメだよ?」



と諭された。

ハルにそう言われたら行かない訳にもいかず、後ろ髪を引かれまくって、始業式に出た。

ハルの欠席は、夏であればいつもの事だから、スンナリと受け入れられる。

だけど、どうせバレるのだと、手術をして入院中なのだと言うと、みんな、言葉をなくした。

去年もハルが入院して手術をしているのを知ってるヤツも多い。
そいつらすら言葉をなくしたのは、きっとオレがあまりに憔悴していたからだろう。



いいだろ?

心配なんだ。
仕方ないじゃないか。



笑顔も元気も全部、ハルのために取っておくんだ。



そう思いつつも、今まで、ハルの状態があまりに悪い時は会わせてもらえなかった理由も悟る。

例えば、修学旅行の時。旅行中に報せをもらい、オレが動揺していたり飛んで帰ったりしたら、きっと一緒にいるクラスのみんなにも、それは伝搬する。

ハルが、みんなの楽しい気持ちに水を差したがる訳がない。



……オレは多分、もっと精神的に強くならないといけない。

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