14年目の永遠の誓い
あるがままに全てを受け入れるハル。
もしかして、そのままに死すらも受け入れようとしていたのか?
「だから、ワガママ言って、結婚を先にしてもらった。
わたし、カナが大変な目に会うのは分かってたのに……」
ハルはひたすらに申し訳なさそうな顔をする。
「本当にごめんね」
違うよ、ハル!!
それは謝るようなことじゃなくて……。
じんわりとお腹の奥底から暖かいものが溢れ出してきて、
気がつくと、ベッドに上半身を起こしていたハルを抱きしめていた。
力を入れ過ぎないように、細心の注意を払う。ハルの傷はまだ完全にはふさがっていない。
「ハル……」
髪をなで背中をなで、頰と頰を触れ合わせ、ハルを堪能する。
愛しくて、愛しくて、仕方がなかった。
オレが半ばムリヤリ結婚を押し通したのだと思っていた。
それでも良いと思っていた。
オレは、それでもハルの一番近い場所に行きたかったから。
けど、ハルも望んでいてくれたのだと、そう分かったら、もうダメだ。
一番しんどい時、他の誰でもない、オレに側にいて欲しかったと……そんな事を言われたら、もうダメだ。
ハルの言葉って、つまりは、運命に逆らってでもオレと一緒に生きたいと思ってるって事だろ?
「愛してる、ハル」
感激でろくに言葉が出てきやしない。
「うん、わたしも……愛してるよ」
そう言いつつも、ハルはどこか不思議そうで、オレはそんなハルが愛しくて仕方ない。
オレがなんで喜んでいるのか、多分、ハルは気が付いていない。
だけど、オレに身をゆだねてほほ笑んでくれる。
それだけで十分だった。
ハルが今、生きて、オレの腕の中にいて、オレと共に生きるのを望んでくれている。
それだけで、オレは十分に幸せだった。
☆ ☆ ☆