14年目の永遠の誓い
「……そりゃ、ICUはムリだよね?」
「ハールー」
思わず、後ろからハルを抱きしめる。
何かにつけて、やっぱりハルはオレより随分と淡泊だと思う。
「ハルは寂しくないの?」
「……んー。慣れてるしね」
確かに、いつだって一人で入院していたのだから、慣れているのかも知れないけど。
ハルはしばらくクスクスと笑った後、ふと黙り込んだ。
「……ごめん。……ウソ」
「ウソ?」
「本当はね……」
とハルは振り返って、オレを見上げた。
「本当は、カナと一緒にいられて、とても嬉しかった」
ハルはにこりと笑う。
「ありがとう、カナ」
ハルはスリッパを脱いでベッドに上がると、あぐらをかいて座るオレに、ぎゅっと抱きついて来た。
「わたし、入院するのが、こんなに嫌じゃなかったの……初めてだった」
「ハ……ハル!?」
ちょっと待った!!
ここ、ベッドの上なんですけど!
ハル、もしかして、オレの忍耐力試してるの!?
って、そんな訳があるはずもなく、条件反射で抱きしめると、ハルは無邪気にオレの腕の中で丸くなった。
「……やっぱり、家はいいね」
ハルはポツリとつぶやく。
オレはハルの頭をそっとなでた。
思えば、この部屋でハルとゆっくり過ごしたのは手術前の二泊三日だけだ。後は、様子見の外泊が数回。
……一人でこの部屋にいる時間は、本当に寂しかった。
二人のために用意した真新しい家具は、逆にハルの気配を消してしまって、いたたまれなかった。
けど、あの墨絵のように寂しかった部屋が、ハルがいる、ただそれだけで、今はカラフルに色づく。
久しぶりの自宅に安心したのか、ハルはそのままオレの腕の中でうとうとし始めた。
「ハル、おかえり」
「ハールー」
思わず、後ろからハルを抱きしめる。
何かにつけて、やっぱりハルはオレより随分と淡泊だと思う。
「ハルは寂しくないの?」
「……んー。慣れてるしね」
確かに、いつだって一人で入院していたのだから、慣れているのかも知れないけど。
ハルはしばらくクスクスと笑った後、ふと黙り込んだ。
「……ごめん。……ウソ」
「ウソ?」
「本当はね……」
とハルは振り返って、オレを見上げた。
「本当は、カナと一緒にいられて、とても嬉しかった」
ハルはにこりと笑う。
「ありがとう、カナ」
ハルはスリッパを脱いでベッドに上がると、あぐらをかいて座るオレに、ぎゅっと抱きついて来た。
「わたし、入院するのが、こんなに嫌じゃなかったの……初めてだった」
「ハ……ハル!?」
ちょっと待った!!
ここ、ベッドの上なんですけど!
ハル、もしかして、オレの忍耐力試してるの!?
って、そんな訳があるはずもなく、条件反射で抱きしめると、ハルは無邪気にオレの腕の中で丸くなった。
「……やっぱり、家はいいね」
ハルはポツリとつぶやく。
オレはハルの頭をそっとなでた。
思えば、この部屋でハルとゆっくり過ごしたのは手術前の二泊三日だけだ。後は、様子見の外泊が数回。
……一人でこの部屋にいる時間は、本当に寂しかった。
二人のために用意した真新しい家具は、逆にハルの気配を消してしまって、いたたまれなかった。
けど、あの墨絵のように寂しかった部屋が、ハルがいる、ただそれだけで、今はカラフルに色づく。
久しぶりの自宅に安心したのか、ハルはそのままオレの腕の中でうとうとし始めた。
「ハル、おかえり」