14年目の永遠の誓い
2.修学旅行
「陽菜、おはよう! いよいよ明日だね!」
朝、教室のドアをくぐると、志穂が浮かれた口調、今にも踊り出しそうな軽い足取りで、ハルの元へとやって来た。
そのまま、「おはよう」と朝のあいさつを交わし、ハルの席へ向かうと志穂もついてきた。
「もう、明日かぁ」
穏やかな笑みで応えつつ、オレはハルの心中が少しばかり複雑なのを感じていた。
明日から高校の修学旅行。うちの学校では、高2の秋と決まっている。
ほとんどの人間にとっては待ち遠しい、高校生活3年間でも1、2を争う人気イベント。
だけど、夏の検査入院で色々と心配な問題が出たハル。問題はあるけど、手術をするのも微妙なラインと言うことで、薬だけが何種類か増えてしまった。
避暑地で過ごした夏休みには上向いていた体調も、9月の残暑には勝てず、現在、完全に低空飛行。
日帰りの遠足ですら乗り物酔いや疲れでフラフラになるハルは、そんな状態で、5泊6日を耐えられるのかと心配していた。
「欠席した方がいいのかな」
と、オレの前でだけ、一度ハルはつぶやいた。
もちろん、即座に否定したけど、ハルの不安は消えなかった。
何かあると厄介な心臓の病気だけに、最善を期して、じいちゃんの手配で看護師さんの同行も決まっている。
裕也さんが来たがっていたらしいけど、さすがに5泊6日は抜けられなかったらしい。
そんな学外からの同行者の存在も、ハルの心を重くしているようだった。
「しーちゃん、えっと……」
「ん?」
「わたし、色々と迷惑かけちゃうかも知れなくて……。ごめんね」
「やだ、陽菜ってば、まだ何も起こってないのに、謝んないでよ」
志穂はカラカラっと、ハルの不安を笑い飛ばす。
朝、教室のドアをくぐると、志穂が浮かれた口調、今にも踊り出しそうな軽い足取りで、ハルの元へとやって来た。
そのまま、「おはよう」と朝のあいさつを交わし、ハルの席へ向かうと志穂もついてきた。
「もう、明日かぁ」
穏やかな笑みで応えつつ、オレはハルの心中が少しばかり複雑なのを感じていた。
明日から高校の修学旅行。うちの学校では、高2の秋と決まっている。
ほとんどの人間にとっては待ち遠しい、高校生活3年間でも1、2を争う人気イベント。
だけど、夏の検査入院で色々と心配な問題が出たハル。問題はあるけど、手術をするのも微妙なラインと言うことで、薬だけが何種類か増えてしまった。
避暑地で過ごした夏休みには上向いていた体調も、9月の残暑には勝てず、現在、完全に低空飛行。
日帰りの遠足ですら乗り物酔いや疲れでフラフラになるハルは、そんな状態で、5泊6日を耐えられるのかと心配していた。
「欠席した方がいいのかな」
と、オレの前でだけ、一度ハルはつぶやいた。
もちろん、即座に否定したけど、ハルの不安は消えなかった。
何かあると厄介な心臓の病気だけに、最善を期して、じいちゃんの手配で看護師さんの同行も決まっている。
裕也さんが来たがっていたらしいけど、さすがに5泊6日は抜けられなかったらしい。
そんな学外からの同行者の存在も、ハルの心を重くしているようだった。
「しーちゃん、えっと……」
「ん?」
「わたし、色々と迷惑かけちゃうかも知れなくて……。ごめんね」
「やだ、陽菜ってば、まだ何も起こってないのに、謝んないでよ」
志穂はカラカラっと、ハルの不安を笑い飛ばす。