幼なじみの罪ほろぼしと恋心
「大樹……ありがとう」


感動に浸りながら、視線をネックレスから大樹に移す。

大樹は嬉しそうに微笑んでいた。


「花乃、雪の結晶が綺麗で好きだって昔から言ってただろ? クリスマスプレゼントに贈ろうって決めたんだけどなかなか見つからなくて、結局作って貰う事にしたんだ」

「え? じゃあこれってオーダーメイドなの?」


大樹がくれた世界に一つだけのネックレスなの?


「そう。今日花乃が俺と一緒に居るのを見た相手はそのネックレスをオーダーした店で働いてるんだ。今日に間に合う様に作ってくれって彼女に強引に頼んだんだ」


そう説明されてハッとした。


そう言えば大樹が手に持っていた手提げって……小箱に描かれているブランド名を確認する。


やっぱりあの手提げ袋と同じところだ。


「今日はあの人からこれを受け取ってたの?」

「そう。本当にぎりぎりで間に合うかひやひやした」


手の中のネックレスに視線を落とす。

キラキラと輝く私だけのネックレス。


「大樹……ありがとう。私嬉しい」

「花乃……」

「それなのに私疑う様な言い方してごめんね。大樹は私の事考えてくれてたのに……」


大樹は何か言おうと口を開きかけたけど、何かに気付いた様で立ち上がり窓辺に行くと腕を伸ばしカーテンを開いた。


「あっ!」


私も立ち上がり窓辺に寄る。
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