Epsode of secret【完】
……のは、ほんの一瞬だけ。
「うわ!イケメン!」
「新入生?なんで職員室から?」
「あの二人の知り合いかなー?」
多方から声が飛び、眉根を寄せる湊。流石にこの場にいるのはあまり良くないと察した颯夜が悠陽に囁く。
「オイ、もう教室行った方が良くね?」
「みなの顔にシワがくっきり刻まれる前にな」
ため息をつくのは許してほしい。何せ、あの面倒くさがり屋は騒がしいことですらも嫌っているのだ。
もはや悠陽の頭痛と悩みの種である。
「てな訳でそう、連れてこい」
「あの中行くのかよ!?」
一定の距離を保ちながら、湊の周りは生徒で大勢の生徒に囲まれていてどこの有名人か、というくらいである。