Epsode of secret【完】
正直あの中には行きたくはない。あの中心が悠陽だったならばどれほどよかっただろうか。悠陽ならばまだ、穏便に済ましてくれるのに。なのに、なぜ湊なのか……
「早く行け」
「そこは悠陽が行くとこだろ!?」
自分よりも悠陽の方がうまく連れて来てくれるだろう。颯夜が行くと、多分、いや確実にアイツからのとばっちりを受ける。それは絶対だ、分かっている。……だって昔からそうなのだから。
「は?何でだよ」
「お前の方がうまく連れて来てくれるだろ!?」
「あの不機嫌な湊に近づきたくはない」
別に彼に悠陽が何をされるというわけでもないがあまり気は進まない。