Epsode of secret【完】
とは言え、結び直しても着崩しを直しても彼はいとも簡単に崩してしまうが故に悠陽も面倒になってくる。何もできない(というより入れない)颯夜は単なる傍観者を決め込んでいるのはいつものことだ。
「みな!」
「堅苦しいんだよ、これ」
「そんなこと言うなよ!」
母親みたいに彼は湊に世話を焼く。もちろん、扱いは酷いが颯夜にも世話を焼くのだ。この時、影で「お母さん」という名が付いたらしいがこの名は一部の人にしか知られず……むしろ、後々になって出てきた名の方が広まってしまった。
「悠陽、諦めたら?」
「……最初くらい、きちんとした格好で行けって……」
そんな言葉も湊はスルーであるが。