Epsode of secret【完】
短くため息をつくと、湊は立ち上がる。クラス中がシン、となるのは最早この1週間で恒例のこととなっていた。
「り、凛条が起きたぞ」
「流石宮野君だよね」
「わぁ、カッコいい……」
何やら外部が騒がしいがこの際一切無視である。その時、
「湊」
「……何」
「今日は裏庭だとよ」
「……は?お前も来んの」
表情は変わってないが、ウンザリした顔の湊。話しかけた少年は苦笑いを零す。
「残念ながらな、呼ばれたし」
「……なんで来んの」
「むしろ聞くけど、何で行ったら悪いわけ?」
湊のクラスで唯一、彼と対等に話すもう彼のもう1人の幼馴染ーーーー黒嶋柊。