Epsode of secret【完】






入学式なんて毛頭出るつもりはない。むしろ、アイツは出るべきだろーよ。一応主席で新入生代表だったくせに、面倒くさがって片割れ君に押し付けたりして。いや、勘だけど。



可哀想な弟君。つか、まずアイツの弟になったのが災難だな。俺、アイツの弟とか嫌だし。



教室に繋がる廊下を渡り、目に留まった教室に勝手に入る。窓側2列目後ろから2番目。そこに勝手に座って、突っ伏す。




「あー、空青」




なんて呟いてみた。いや、実質空青いんだけど。その青さが、やけに懐かしく感じた。……いつぶりだっけ?こんなに青く感じたのは。



そんな空を見上げて、俺は瞳を閉じた。……その出会いは、唐突だった。




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