ブラック-SS-



いきなり教室の扉を大きく開けて、いつも穏やかで優しげな雰囲気からは見たことがないような大きな声を出したのは



ブラストの幹部、篠崎カエデ。





もちろん机で寝ていた彼、
いつもチャイムがなろうが、授業が始まろうが全く起きる様子を見せない彼。




なのに、



「……アオイが?」




彼はすんなりと立ち上がった。




その瞬間、何故だか無職に心臓がドクドクと鳴り出した。




多分、これは、きっと



彼の口から彼女の名前を聞いたのが初めてだからかもしれない。




それはリアルで、現実で、真実で




今までの噂が全てホンモノだったのだと、そう告げていた。




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