危険な愛を抱きしめて
 



 風ノ塚の手からは。

 次々と、芸術品が作り出されてくる。





 案外、ケーキやスィーツ作りは、地味な作業が多いようだった。


 材料を、測ったり切ったり、かき回したり。

 まったく同じような幾何学模様を溶かしたアメで書いていったり。


 延々、気の遠くなりそうな、地味~~な作業を繰り返す。

 のに。


 気がついたら。


 まるで、機械が作ったように、大きさが正確にそろって飾りつけも同じケーキが。

 ずらっと何個もトレイに並ぶんだ。


 しかも。


 機械には、きっと……

 このクリームの花びらや、飴細工はきっと作れねぇ。

 そう思ってしまえるほど、繊細で。

 トレイごとの種類も多かった。

 そして、食ったら。

 とんでもなく美味いことも、オレは知ってる。



< 102 / 368 >

この作品をシェア

pagetop