危険な愛を抱きしめて
「……それに、ね?
 雪に、今日、会えて良かったわ」

「……なんだよ?」

 多分、相当怪訝な顔をしているだろう、オレに、由香里は微笑むと。

 カバンの中からごそごそと、小さな袋を出して来た。

「はい、誕生日プレゼント。
 今日から、半年間は、わたしと同い年の雪に」

「誕生日だっけ?
 そんなもん……すっかり忘れてた」

 差し出された袋を、何の気なしに受け取り。



 ……開いてみて。







 ……正直、困った。

「……ペンダント?」

 そう。

 出て来たのは、銀の。

 ………雫の形をしたペンダントヘッドのついた首飾りだった。

 
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