危険な愛を抱きしめて
「僕、実はこれでもちょっとくらいは名前のあるパティシエで。
 いくつかの製菓学校で、臨時講師をしてたりするんですけど~~
 村崎君みたいに真剣に、僕の手元を見てくれる生徒はいないですね~~」

 風ノ塚は、にこにこと笑って言った。

「それに、村崎君は、器用でカンも良さそうだし。
 この前も、試作品を味見してもらったら、中に何が入っていたのか、ちゃんと当ててましたよね~~
 毎日着てくる服も、すごくセンスが良くて、オシャレでしょ?
 ケーキを作ってみたら、すごいのができそうな気がして~~」

 いつも上機嫌に見える風ノ塚は、更に嬉しそうに、微笑んだ。

「……で、良かったら、試しに作ってみませんか?
 ケーキ?
 やる気があるなら基礎から、僕が責任を持って教えますよ?」



 
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