危険な愛を抱きしめて
「あら、似てるかしら?」

「……似てねぇぜ。
 ……ちっともな……」



 ……ウソだ。




 どきどきと心臓が、鳴る。




 薬で狂ったカラダが、歓喜の声をあげる。


 
 薬のせいか。



 散々に乱れた感情のせいか。



 めまいにも似て。



 くらり、と回ったオレの目に、由香里と同じ瞳が囁く。


「……雪(ゆき)。
 ちゃんと、生きてなきゃ、ダメよ?」


 オレは。




 コトバで。



 ……心臓を、撃たれた。



 




 
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