危険な愛を抱きしめて
「……じゃあ。
 なんて呼べばいいのかしら?」

 薫の言葉に、オレは答えて言った。

「……そうだな……
 例えば……紫音……とか」

「……紫音?
 それは、最近あなたが本格的に始めたホストの源氏名じゃないの。
 ………あたしに、これから、そう呼ばれたいの?」

「……その……
 ふざけた口調のうちは………な
 絶対……由香里が呼ばなかった……名……で呼んで……くれ」

「……そう……
 では……紫音……
 紫音……続きを……」

「……ああ」

 再び始まった、薫の刺激に、オレは目を閉じた。




 こんな夜は……




 こんなに狂った夜は。



 すべての罪を、薬のせいにしてしまえばいい………



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