危険な愛を抱きしめて
「もちろん~~
 村崎君なら、いつでも大歓迎です~~」

 風ノ塚は、機嫌良く目を細め……ああ、そうでした、と手を打った。

「もし、村崎君が一年間。
 丸々ヒマでしたら~~
 製菓学校とかに通ってみたらど~~ですか?
 一年間通うと、製菓衛生師っていう国家資格を受けられるコースもありますし~~
 大検に合格してるなら。
 専門学校に年齢制限はないので、受験資格は、バッチリです~
 スィーツ作りの基礎をここと、学校で習っておけば~~
 村崎君が、将来どんな職業につくにしたって、お得ですよ~~?」

「……そんなことを言って。
 結局、風ノ塚は、オレをパテシェにしたいだけ、じゃねぇのか?」

「おや、ばれましたか」

 オレの突っ込みに、風ノ塚は、にこにこと笑った。
 
「お菓子職人の道は、厳しいですが、楽しいですよ~~
 ぜひ、一緒にやってみませんか?」

 風ノ塚に言われて。

 それも悪くねぇかな、ってちらりと思う。

 だけども、オレは。

 返事をする前に、今、気がかりなことを風ノ塚から聞き出した。

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