危険な愛を抱きしめて
「……なによ!?」
オレが、思わず口の中でつぶやいた言葉が、由香里に聞こえたらしい。
大勢の敵を前にして由香里は、ぐぃとこちらを振り返った。
その、瞳の強さに息を呑む。
「……いや。
だから、由香ネェの彼氏になるヤツは、大変だなぁって」
「大きなお世話よ!
それに、ネェなんて呼ばないでよね?
あたしと雪は、半年しか年が違わないじゃないのよ!」
「学年が一コ上だったら、立派な『姉ェ』だって。
……って、ほら、前!」
由香里の気がそれたと踏んだ男が一人。
飛び込むように、襲って来た。
「………っ!」
そいつは。
振り向きざまに放った由香里の裏拳が、まともに入って、そのまま目を回す。
「あーあ。
自業自得とは言え、気の毒だな」
ぼーっと立っている、アヤネの手を引いて。
こっちに向かって、倒れてきた男をよけながら、オレはため息をついた。
オレが、思わず口の中でつぶやいた言葉が、由香里に聞こえたらしい。
大勢の敵を前にして由香里は、ぐぃとこちらを振り返った。
その、瞳の強さに息を呑む。
「……いや。
だから、由香ネェの彼氏になるヤツは、大変だなぁって」
「大きなお世話よ!
それに、ネェなんて呼ばないでよね?
あたしと雪は、半年しか年が違わないじゃないのよ!」
「学年が一コ上だったら、立派な『姉ェ』だって。
……って、ほら、前!」
由香里の気がそれたと踏んだ男が一人。
飛び込むように、襲って来た。
「………っ!」
そいつは。
振り向きざまに放った由香里の裏拳が、まともに入って、そのまま目を回す。
「あーあ。
自業自得とは言え、気の毒だな」
ぼーっと立っている、アヤネの手を引いて。
こっちに向かって、倒れてきた男をよけながら、オレはため息をついた。