危険な愛を抱きしめて
陽の傾きかけた夕闇の中を、オレは、走った。
走って、走って。
ケーキ屋から、一番近くの公園にある、人気のないベンチに座り込むまで。
オレは、由香里を抱きしめたまま走った。
「雪……雪……?」
荒い吐息をついたまま。
夢中で抱えてきた由香里の声にやっと気がついて、オレはびくり、と身を震わせた。
「雪……」
発作を起こした由香里のカラダを、オレは強く抱きしめていた。
それは。
由香里のカラダに酷く、負担をかけてしまうことに違いなかった。
それでもオレは。
由香里を抱きしめ続けることを、やめるなんざ……できなかった。
愛しくて。
悲しくて。
ココロがはり裂けそうだった。
「……雪……
こっち向いて……?」
「……」
「……雪……
お願い……だから……」
腕の中の由香里に呼ばれて、オレはやっと彼女の顔を見た。
その。
大好きなヒトに向かってようやく、オレは、言葉を紡いだ。
「……由香里。
ごめ……
カラダ……痛むよな?」
「ううん……
雪のココロの方が……
たぶん、もっと……痛いよ」
走って、走って。
ケーキ屋から、一番近くの公園にある、人気のないベンチに座り込むまで。
オレは、由香里を抱きしめたまま走った。
「雪……雪……?」
荒い吐息をついたまま。
夢中で抱えてきた由香里の声にやっと気がついて、オレはびくり、と身を震わせた。
「雪……」
発作を起こした由香里のカラダを、オレは強く抱きしめていた。
それは。
由香里のカラダに酷く、負担をかけてしまうことに違いなかった。
それでもオレは。
由香里を抱きしめ続けることを、やめるなんざ……できなかった。
愛しくて。
悲しくて。
ココロがはり裂けそうだった。
「……雪……
こっち向いて……?」
「……」
「……雪……
お願い……だから……」
腕の中の由香里に呼ばれて、オレはやっと彼女の顔を見た。
その。
大好きなヒトに向かってようやく、オレは、言葉を紡いだ。
「……由香里。
ごめ……
カラダ……痛むよな?」
「ううん……
雪のココロの方が……
たぶん、もっと……痛いよ」